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測定編A(食品)

運用方法の例@

試料の前処理なし、白米限定、マイカ窓GM管(Beta-2)x3、CPM値と有意差判定

白米の場合、カリウム含有量が非常に少ないため、比較的セシウムの判別が容易です。
2CPM程度の上昇で、ぎりぎり有意差が出るようなレベルまでは、カリウム相当分で正常範囲であると言えます。
4CPM以上の上昇で、はっきり有意差が出る場合は、セシウムやストロンチウム等の人工核種であると言えます。
※玄米のカリウム(76.3Bq/kg)が判別できるので、同様に白米のセシウム(80Bq/kg)は判別できると考えます。

運用方法の例A

試料の前処理なし、肉や魚等、マイカ窓GM管(Beta-2)x3、食材ごとの相対的比較

主に同一食材どうしのCPM値を比較して判断します。安定した計測が期待できるのは150Bq/kg程度まで。
計数率は試料の厚みや水分等に左右されますので、CPM値から直接ベクレル値を推定するのは難しいです。
セシウムやストロンチウムがカリウムの2倍程度含まれている場合に見分けることができると考えています。

比較参考データ(豚肉)
試料:ロース豚肉(脂身付き)
カリウム:310mg/100g(94.2Bq/kg)
(文科省のデータベースより)

測定イメージ


測定方法:BG測定1時間+試料測定1時間の繰り返し、遮蔽なし

全データ

差分(1070counts/180min=5.94cpm)

グラフ


有意差検証

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※当初、水分や油分の多い食材は、このような測定では実用的な計数率に達しないと考えましたが、
実験により、ごく表層部の検査でもそれなりのカウント数が得られることが分かりました。

運用方法の例B

電気コンロによる灰化、すべての食材、同量の「やさしお」と比較、マイカ窓GM管(Beta-2)x1、ベクレル値を算出して検証

50Bq/kg程度までは比較的安定した計測が期待できます。
セシウムやストロンチウムがカリウムの2倍程度含まれている場合に見分けることができると考えています。

測定イメージ


自作アクリル製試料皿(内径39mm)


測定例(2012.07.02)
試料:TOPVALU発芽玄米
カリウム:251mg/100g(76.3Bq/kg)
(パッケージ裏の成分表より)

灰化前重量20g
灰化後重量0.6g
測定重量0.5g
測定時間各60分
バックグランド2748カウント
灰化試料3897カウント
比較試料6385カウント
灰化試料の放射能2653.7Bq/kg
新鮮分の放射能79.6Bq/kg
危険度

電気コンロによる灰化もどき

七宝焼きなどに使う小型電気炉がとってもお高いので、
安価な電気コンロで代用できるのか実験みました。

約2時間で「いりごま」約9gから「それっぽい生成物」約2gを得ることができました。
もっと時間をかければ、さらに灰化は進みます。
カウント数も顕著に増加し、パンケーキ管1個で50Bq/kg程度まで測定できそうです。
温度管理とかも適当ですが、3千円という安さは魅力ですね。

電気コンロ(東芝製)


生成物


耐熱容器(アルミナるつぼ)


精密はかり


ベータ線測定の参考になるページ

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